1998年11月22日

ピープルファースト大会in奈良

日時:1998年11月22日(日)~11月23日(月・祝)
場所:奈良県生駒郡斑鳩町 いかるがホール

<大会当日のスケジュール>
1にちめ(11/22)
おひる12:00  うけつけ
1:00  かいかいしき
1:45  ぜんたいかい1
    2:45  きゅうけい
    3:00  ぶんかかい
・元気が でるはなし
・ピア・カウンセリングってなんだろう?
・自立生活とお金
・人権
・仕事と趣味
・けっこん の分科会
・WELCOME T.J.モンロー
・家族のはなし
・支援者の分科会
    4:00  きゅうけい
    4:30  ともだちをつくろう
            デートゲーム  じょうほうコーナー
    5:30  こうりゅうかい1
            しょくじ
    7:00 ダンスパーティー
    8:00  ダンスパーティーおわり
いちにちめおわり

ふつかめ(11/23)
あさ  6:30  おきましょう!
    7:00  あさごはん
    9:30  ぜんたいかい2
   10:30  きゅうけい
   11:00  へいかいしき
   11:30  へいかい
おひる12:00  こうりゅうかい2 ↑大会であいさつをする奈良
    2:30  しゅうりょう    大会代表の高橋さん

800人もの参加者があり、これからもっと大きな大会になっていくという雰囲気でいっぱいでした。→

↓アラスカ・アンカレッジの世界大会参加
 の報告をしました。日本のメンバーも
約80人が参加し、分科会などを担当  
しました。(写真はアラスカにて)
 当日全体会の資料より


当時の報告・感想


ピープルファースト大会in奈良 第五回知的障害者全国交流集会
-「精神薄弱者福祉法」をみんなでかえよう!!-
高橋章・西口厚子・和田泰子

はじめに
昨年11月22日~23日に、奈良県斑鳩町の「いかるがホール」で知的障害者全国交流集会が開催されました。当初は前年に開催された集会の参加者約500人ほどの参加を予想していたのですが、その数をはるかに上回る700人以上の参加者が全国から集まりました。
今大会から名称も「知的障害者全国交流集会」から「ピープルファースト大会」として、ピープルファースト運動であることをはっきりと打ち出し、気持ちの上でも"ピリッ"としたものを感じて大会にそなえました。
 大会の中身としては、全体会では「精神薄弱者福祉法」の改正に伴い"法律をみんなでかえよう!"という難しいテーマに挑み、「保護と更生」について勉強したり、アメリカのピープルファースト運動のリーダーであるT・J・モンローさんを招いてアメリカの法律について学びました。
 その他、分科会、ダンスパーティー、ともだちをつくるコーナーなど盛り沢山の内容で大会は閉会しました。
 奈良ではこれほどの大きな大会はもちろん、奈良の知的障害をもつ当事者が集まって何かをするということは初めてであり、支援者もこの大会のために県下の作業所や共闘団体から募り、急ごしらえのものでした。そんななか、全国の実行委員のみなさんは細部にわたり協力していただき、無事大会を終えることができました。大会を終えた今、代表の高橋章さんと事務局長の西口厚子さんに話を聞いてみました、

大会まで
和田 一年間準備に大忙しで過ぎていったけど、大会が無事に終わった今の気持ちを聞かせて。
高橋 やはり成功してホッとしてるし、ピープルファ  大会事務局長西口さん
ーストが全国に広がればと思っています。     
西口 やっと終わったなって思う。
和田 奈良で大会をやろうと決まったときはどんな気持ちだった?
高橋 奈良の当事者には難しいと思ったし、支援者も支援というものがはっきりしていなかったから別の所でやったほうがいいと言ったけど、実際奈良でやってみて自信がついた。
西口 奈良は何もないところやから、もっと都会でやったらいいと思った。
和田 いざ準備に入って苦労したことある?代表、事務局長としてもいい
よ。
高橋 私はやはり、一般就労しているので、準備にほとんど参加できなかったし、行政関係の交渉も自分では行けなかった。本来一番大事なところが西口さんまかせになってしまって、西口さん本当にありがとうございます。私の分まで手伝ってくれて。
西口 いえいえ。代表あっての準備期間やったと思うから。
和田 西口さんは苦労したなぁと思うことある?
西口 しんどかった、全面的に……。例えば県庁に行ったことで、今まで県庁の人と話す事ってなかったから緊張した。

実行委員会議の中から
和田 実行委員会議の中ではどうだった?
高橋 しんどかったのは特に私の場合に限ったことじゃないけど、これまではあてがわれるとか、やらされるということが多かったけど、今回は会場、分科会とか自分たちできめていかないとだめだったから、すごく自信がついた。
和田 高橋くんは司会をやってみてどうだった?
高橋 やはり緊張しました。しかし、この大会が成功しなければ奈良で当事者組織ができないと思ったので、一生懸命やりました。
西口 泊まりの会議がよかった。いろんな友だちができたし。
和田 日帰りの会議だと話し合うことがいっぱいありすぎて、他の話をする時間がないけど、泊まりの会議では時間的に余裕があったしね。
高橋 あと、お金集めで、私は仕事の都合でほとんどやってないけど、あんなにたくさんのお金が集まってよかった。もっと金額的には少ないと思っていたので……びっくり!!
和田 それじゃあ、申し込みを開始してたくさんの申込用紙が届いたけど…。
高橋 どっときた。今までで一番多かったんじゃないですか。
西口 参加申し込みの数はびっくりした。こんなに集まるのかと思った。
和田 最初からこれだけの申し込みがくると思ってた?
西口 思ってない。
高橋 私も思ってなかったけど、これはピープルファーストが日本でも受け入れられてきた証拠かなと思いました。
和田 うん。でも最終的に参加申し込みに人数制限することになったけど。
高橋 申し込みしてくれた人に申し訳ない。
西口 やっぱり大きな会場が必要やなと思った。特に今回ダンスパーティーの会場も狭かった。
和田 会場を決めるときにあれだけの参加申し込みがくると思ってなかったしね。準備の中で特に苦労したことってある?
西口 会議で高橋くんが仕事でお休みのとき、司会を代わってやってんけど緊張した。
高橋 全国級の司会をできることは名誉なことだと思わなくちゃ。
西口 うん、でももういいです。
和田 でも、西口さんにとってよい経験になったと思うよ。
西口 それは私も思った。
高橋 私も大会までに、人前で司会をしていたから少し気分的に落ち着けた。

いざ、本番
和田 あーそうか。じゃあ、いよいよ大会当日を迎えた朝ってどんな気持ちだった?
高橋 大会前日の夜があんまり眠れなかった。
和田 緊張して眠れなかった。
高橋 いいえ、緊張してたってことじゃなくて、まわりの人のいびきがすごくて。
西口 (笑)私は緊張してあんまり眠れなかった。朝も早くから目が覚めた
し。
和田 そうそう、会場に着くまで落ち着かなかった。
西口 会場に着いたら着いたで、「こんなに大きな舞台に立つのか」と思ったらよけい緊張が増してきた。
高橋 私は会場に着いてからは、準備作業をしていてさほど緊張はしていなかった。
和田 実際大会が始まってからはどう?
高橋 代表のあいさつがあったけど、でもわりと落ち着いてできた。
西口 いざ幕があがって「やっと幕あいたぁ」って、そのかわりもっと緊張したけど、支援者の人に「あんまり緊張せんと自分のペースでやればいいよ」って言ってもらった。
和田 言ってもらって落ち着いた?
西口 うん、落ち着いた。
和田 西口さんは全体会の司会をしてたね。
西口 自分にもできるもんやなあと思った。あれだけの大きなホールでたくさんの人の前でできたから。
高橋 西口さんが司会をやっている姿を見て、「立派や」って思った。
西口 まいった、まいった。
和田 まいった、けどうれしくない?
西口 うん、人からほめられるとうれしい。
和田 では、西口さんが「立派」に司会をした全体会って難しいテーマだったけど…。
高橋 内容は前から意識していたけど、結果がすぐに出るものじゃないから困ってた。
和田 じゃあこの機会で勉強になった?
高橋 勉強になったけど、日本とアメリカは違うから、日本は日本の法律がすごく必要だと思った。
西口 私にはすごく難しいテーマやった。全体的に法律も難しいしよくわからなかった。
高橋 日本の法律をもっと勉強したほうがいいなって感じた。
和田 分科会はどうだった。
高橋 みんながのってくれたからとってもよかった。
和田 何の分科会?
高橋 元気がでるはなしで、自分に自信をつけようっていう内容。前に出てリーダーとしてやって、すごく楽しかった。
西口 私は結婚の分科会に出て、ゲームとかやってて内容はあんまり覚えてないけど、楽しかったことは覚えてる。
和田 大会の中で一番楽しかったことは何?
高橋 多くの人に会えたことと、法律の勉強ができたこと。
西口 ダンスパーティーとかデートゲームがよかった。
和田 西口さんは今回初めての参加やったよね。
西口 初めて参加して「ええなあ」と思った。友だちもたくさんできたし。
和田 じゃあ、西口さんにとっていい大会になったってことかな?
西口 うん、すごくいい大会やった。だから閉会式には複雑な気持ちになった。
和田 閉会式では実行委員みんな舞台の上にあがったけど。
高橋 なんか「盛り上がろう」という気持ちが強くなった。
西口 感動した。自分が大会に関わっても十分できたなあって。
和田 西口さん思わず涙が出たけど、あの涙の意味は何だったんだろう。
西口 やっと終わったっていうか、ホッとしたっていうか。
高橋 今後、奈良でもピープルファーストをつくりたいという思いが強くなった。西口さんが涙ながしてた様子は見てないけど、私も本当にうれしかった。
和田 私もうれしかったなぁ。でも大会が終わってもまだまだ考えることってあるような気がする。

奈良でもピープルファーストをつくろう!!
高橋 私も。まだ具体的にはわからないけど、奈良の人たちで月一回か二ヶ月に一回でも集まって話し合いをしたい。勉強会みたいなものもしていきたいとかんがえている。
西口 実行委員に関わった人もそうじゃない人も、それと支援者も含めて話し合いができる場があってほしい。
高橋 そう、そのとおり。
西口 せっかくの奈良の当事者も集まるようになったのに、ばらばらになるのはもったいない。
和田 二人はそこまで考えてるんだ。この大会をとおして今までの自分の考え方と変わったことってある?
高橋 大会で変わったことはないけど、ピープルファーストを知ってから、健常者とかわりなく自分たちも人間らしく生きる権利があるということがわかったから、一人旅とかできるようになったけど、本当はこれからの自分が大事だと思う。
西口 この一年はあっという間やった。そういえば昨年の今頃から準備が始まってたな。

なんとか終わったね
和田 今でも思うことは本当に準備が大変だったってことかな。でも大会は奈良の人だけで成功したんじゃないよ。
高橋 もちろん、絶対そうじゃない。やっぱり全国の実行委員さんたちの協力があったからできたと思ってる。
西口 だから、奈良での大会が終わっても、実行委員として次の開催地の実行委員の人たちに協力しようと思う。ただし実行委員はつらいよ。
高橋 つらいかもしれないけどやりがいはある。
西口 でもほんまにつらかった。
和田 つらかったけど最後までよく頑張っていたよ。
高橋 手抜きなんてできないから。やっぱり定員いっぱいの参加者が集まってくれて、楽しんでくれたから、実行委員をやったことに自信を持っていいんではないかと思う。
和田 そう、自信を持っていいよ。じゃあ最後に一つききます。次の大会にも参加しますか?
高橋 内容も充実しているので、次回も仕事の都合がつけばぜひ参加したい。
西口 時間があったら参加したいし、全国実行委員会のメンバーとしてどんどん協力していきたい。
高橋 これから実行委員になる人は自信を持ってやればいいと思います。きっとだいじょうぶです。
(「福祉労働」82号現代書館刊(げんだいしょかんかん)より転載)

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